「正しい診断は治療への最短距離です。」
外来診療の目的は、正確な診断を行い、適切な治療につなげることです。
そのためには、診断機器が欠かせません。
診断が不正確だったり評価が不十分だと、ナビゲーションでいえば目的地がはっきりしないままクルマを走らせることになります。
そのため当院は、検査を重視しています。
NBI内視鏡システム(オリンパス社製)
裸眼での診察は、光量が鼻腔の奥まで達せず、画像の拡大もできないため十分な観察ができません。鼻疾患の患者さんは、オリンパス社製のNBI内視鏡による細径の軟性ファイバースコープで鼻腔内を後方まで、痛みを感じずに丁寧に観察します。(嗅裂・鼻咽腔ファイバースコープ)この内視鏡検査は、副鼻腔炎の正確な診断に非常に有用で、副鼻腔炎手術後の観察評価にも必須の検査です。
同一のNBI内視鏡での咽喉頭粘膜の観察は、NBI画像による病変部毛細血管の走行や集簇を観察可能で、そのため早期の微小がんの診断に優れた威力を発揮します。(喉頭ファイバースコープ)さらに鼻腔内の粘膜下の血管走行も同定可能なため、難治性鼻出血の出血部位の診断にも非常に有用です。
コーンビームCT(モリタ製作所)
鼻と耳の正確な画像診断のために撮影するX線CTです。
鼻の疾患で、高度のアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、再発をくりかえす場合、保存的治療が効果なく手術適応を判断する必要性がある場合には、CTの適応です。当院では被曝量が極端に少ないコーンビームCTを導入しています。(通常のヘリカルCTの1/7-1/10) レントゲン撮影では不十分な副鼻腔の解剖学的部位の3D構成による正確な診断が可能になります。
側頭骨CTでは、中耳炎の診断、乳突洞炎の診断、そのほか内耳の形態異常の有無や、側頭骨内顔面神経の走行などが診断可能です。
ヘリカルCT(東芝)
全身型CT。耳鼻咽喉科領域以外の異常も含め調べます。
顕微鏡(Zeiss社製)
顕微鏡で鼓膜穿孔や耳小骨の異常を調べます。
中耳内視鏡検査(Storz 社製)
硬性、軟性内視鏡で鼓膜穿孔や鼓室内の耳小骨の異常を調べます。
基準嗅覚検査(T&T)
専用の嗅覚検査機器で「匂い」の異常を調べます。
純音聴力検査・耳鳴検査(リオン社製)
聴力を正確に調べます。
耳鳴りの周波数、大きさ、遮蔽度などを調べます。
語音聴力検査(リオン社製)
言葉の聞き取りの状態を調べます。
ティンパノメトリー、耳小骨筋反射(リオン社製)
中耳の陰圧の評価、鼓膜の緊張度、しなやかさを調べます。
アブミ骨の固着の有無や、顔面神経麻痺の評価のときに行います。
頭位・頭位変換眼振検査(モリタ製作所)
めまいの診断に行います。