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- 嗅覚 -その2- -嗅覚が鈍くなるのは何故か?- -嗅覚障害の診断と治療は?-
嗅覚 -その1- に続きます。前回は、嗅覚のメカニズムについて、基礎医学的な内容をお伝えしました。今回は、臨床的な話です。 嗅覚がない 目が見えにくくなっても、耳が聴こえなくなっても、すぐに気がつきます。しかし、嗅覚は違います。嗅覚は、5感の中でも最も意識しない感覚と言えるでしょう。そ ...続きを読む
- 嗅覚 -その1- -嗅覚とは何か?- -匂いのメカニズムと嗅覚受容体-
今回は、嗅覚について書きたいと思います。嗅覚は、非常に量が多いので、2-3回に分けて書こうと思います。まず今回は、嗅覚とは何かを理解してください。 嗅覚 ご自分で、鼻がわるいのでは?と思うとき、嗅覚がきっかけのことが多いような気がします。庭に咲いた金木犀(きんもくせい)の花の香りが自分 ...続きを読む
- 咳(せき) -長引く咳の診断と治療- -見逃せない危険な咳とは?-
今回は、咳についてのお話です。 咳とは? 咳は、①気道内に侵入した異物(ウィルス、細菌、粉塵、有毒ガス)の侵入阻止と、②気道内で過剰生産された分泌物を排出させるための、重要な生体防御機構の1つです。症状としてつらい咳は、本来は、生体を守るためのなくてはならない機構の1つなのです。 ...続きを読む
- くしゃみ -くしゃみはなぜ出るのか?- -くしゃみの神経反射とそのメカニズム-
誰もがする、くしゃみ。花粉症のとき、風邪を引いたとき、エアコンの風が当たったとき、温度差を感じたとき、掃除や布団干しをしたとき、初めての部屋に入ったとき、など…。くしゃみが出るときは、大きく息を吸って、体がタイミングを計って呼吸が一瞬止まり、爆発的に口から空気を出します。くしゃみの音(声)も人によ ...続きを読む
- はなみず -鼻水とは何か?その成分は?- -何のためにでてくるのか?-
はなみず、鼻水、鼻汁、鼻漏。いろいろな呼び方がありますが、要は鼻からでる液体のことです。耳鼻咽喉科の正しい語句は、鼻漏(びろう)といいますが、ここでは一般に鼻汁とします。今回は、鼻汁について書きます。 鼻汁 鼻汁とは何でしょう?鼻汁は、鼻腔、副鼻腔からの分泌液、涙液、粘膜からの漏出液、 ...続きを読む
- 片頭痛 -その1- -片頭痛とは何か?- -耳鼻科でみる頭痛と片頭痛の違い-
片頭痛があるんです…。片頭痛がひどくて…。 日常生活に溶け込んだ医学の病名は、いくつもありますが、これほど頻繁に使われる病名もそう多くはない気がします。 もともと、人間は頭痛とともに生きてきたのではありません。遥か古代の原人、猿人たちが、片頭痛を持っていたかどうかはさておいて、人は疲れ ...続きを読む
- 慢性副鼻腔炎 -慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿(ちくのう)症とは何か?-
急性副鼻腔炎のつぎは、慢性副鼻腔炎のお話です。慢性副鼻腔炎は、一般に蓄のう症と言われます。昔は抗菌薬治療がなく、副鼻腔に膿がたくさん貯まると手術の対象になっていた時代がありました。現在は、急性副鼻腔炎は一部の例以外、抗菌薬で治癒する時代です。慢性副鼻腔炎は、逆に抗菌薬治療に抵抗する難治性のものが増 ...続きを読む
- 黄砂・PM2.5 -その1- -黄砂とは何か? PM2.5 とは?- -その対策は?-
黄砂って何? 黄砂やPM2.5という言葉をときどき聞くと思います。 花粉症と同じような症状を起こすことは知っていても、いったい何なのかじつはよく知らない人も多いのではないでしょうか。今回は、ときどき外来で聞かれる、黄砂とは何ですか?という質問に答えたいと思います。黄砂とは、もともと中国 ...続きを読む
- 急性副鼻腔炎 -その1- -急性副鼻腔炎とは何か?- -診断と治療法は?-
今回は、耳鼻咽喉科の外来診療で、非常に多くの患者さんが受診する、急性副鼻腔炎の話です。 副鼻腔炎とは? 副鼻腔は、顔面骨の中に左右4つずつある空洞です。おでこの部分の前頭洞、頬の部分の上顎洞、眼の内側の篩骨洞、篩骨洞の後方の蝶形骨洞。これらの空洞には、正常では、洞の内側に薄いカーペット ...続きを読む
- アレルゲン免疫療法
舌下免疫療法 -その1- 飲み薬と点鼻スプレー。花粉を避けること。2週間前からの予防投与。そうは言っても、毎年ひどい花粉症に悩まされる方は、この時期とても憂鬱です。それもほぼ2ヶ月間は続くのです。ヒノキをいれるともっと長引きます。何かもっとすごい治療法はないのでしょうか?その答えが、近年注目 ...続きを読む